ども。nacanonです。
今回はフィールドレコーディングやサウンドアートのお時間です。
紹介する音楽「Fire and Frost Pattern」は様々な場所(火山や氷山)、方法での録音を組み合わせた作品でタイトルの通り、fire(火)とfrost(霜)をコンセプトにして作られているようです。
ちなみに作品を作ったAndreas Bickは、
1964年生まれドイツ出身の映画作曲家、サウンドアーティスト、
ラジオプロデューサーのようでベテランな雰囲気!
それでは作品を聴いてみましょう!
火山の音と人工音の組み合わせ
Fire Patternの録音は、
バヌアツにあるヤスール山(世界で最も火口に近づける活火山)、
コスタリカにある成層火山であるアレナル火山、
シチリア島東部にある活火山、エトナ火山の噴火音、間欠泉(温泉みたいなもの)の音で構成されています。
一部、pyrophoneやwhoosh bottleなどの人工音を使っていて単なるフィールドレコーディングだけじゃなくて興味深い!
ちなみにpyrophone(パイロフォン)ってこんな感じ。fire organとも言うみたい。
ドローンな感じがとってもいい感じ。
whoosh bottleってこんな感じ。理科の実験思い出したり。
氷山と凍結湖の音と人工音の組み合わせ
Frost Patternの録音は、
南極海での巨大な氷山の衝突から起こる音や地震波音、
ベルリンでの凍結湖での氷床の音の波の分散で構成されているとのこと。
凍った湖は気温の大きな変動時に氷が膨張したり収縮し、
生じたテンションが亀裂を引き起こし、ノイズを発することが知られています。
また、雪が降る音をアルミホイルをひいて録音するという変わった録音や、
つららの砕ける音、雪解け水のしたたる音なども録音されていて面白かったです。
そういえば坂本龍一氏も北極圏で録音した水中や氷の音を作品「out of noise」の曲に取り入れたりしてましたねー。
うーむ、北極や南極は音の新天地なのでしょうかね。
音響的に一番驚愕したのが凍結湖での水中マイクで録音された音ですね。
こちらでダウンロード(mp3)もできます。
まるでシンセをグリッサンドしたような音が鳴っていて面白いです。
これは、ここ数年でのビックリ音ランキングNo.1ですね。
いやはや、まだまだ自然界にも面白い音は溢れていると痛感しました。
ちなみにこの作品買ってみました。
5.1サラウンドにも対応しているファイルもセットで入っています。
5.1chの方がやはり音場も広いし、分離がよく作品がより楽しめました。
ただ、こういう作品なのにファイルそのものは44.1khz,16bitで音質的にもったいない気もしました。
まとめ
一聴した感じ、個人的には火と霜(氷)のイメージが少し変わった気がします。
それは一般的に火と霜(氷)って相反するもの(動と静みたいな)だというイメージがありますが、この作品の火山の噴火、氷山の衝突などから、自然の荒々しさ、ダイナミクスが全面的に伝わってきて、
区別などなくただただ自然の底力に沁みました。
またこの作品は素材そのものに過度なエフェクト処理をせず、
様々な録音法による素材と人工音の素材を活かして、
巧妙な配置にした作品になっていると感じました。
そして、日常で耳では聞こえない音または、
意識していない音も聴こうとする姿勢は、
より音を探求していく事に繋がるんだな~と改めて思います。
ということでたまにはこんな感じの音楽も食してみるのも、
アリではないでしょうか?
あとフィールドレコーディングやサウンドアートに興味ある人はこちらの記事「音の旅行でストレス解消した!」もよかったらどうぞ。
それではわくわくする日まで。